学生による文学部授業紹介

現代哲学演習(行動科学コース専門科目)

授業紹介:現代哲学演習

 現代哲学演習の具体的な説明に入る前に、哲学専修の授業について説明します。哲学専修の授業では、さまざまテーマを扱いますが、行われることはほぼ一つです。それは、本を読み、考え、その自分の考えを発表することです。現代哲学演習でもそれは同じです。根気強く哲学者の書いたものに向き合うことが、要求されます。逆に言えば、文章や他者の考えに、真摯に向き合える人には、とても有意義に感じられる授業でしょう。本学を受験されるみなさんの中で、国語には自信がある、趣味といえば読書、という方がいらっしゃるならば、ぜひ哲学専修に来てください。

 2012年度の現代哲学演習dでは、「他我問題」をテーマに、授業を進めていました。「他我問題」とは、他者の心の「中身」について考える、哲学の分野です。この授業は、野矢茂樹や大森荘蔵など、日本の哲学者の著作を読みながら、学生の意見を発表するという形式をとっています。この授業を担当してくださった先生は、言語哲学を専門の一つとしています。哲学になじみのない方にとって、言葉と心がどのように関係するか、疑問に思われるかもしれません。しかし、たとえば、自分と他人で「赤い」という言葉の意味が同じか否かなど、「他我問題」において、言葉も重要な問題の一つとして扱われます。「他我問題」では、言葉以外にも、倫理や魂といった事柄も、重要なファクターであり、欠かすことができません。


(「赤さ」について討論している先生と学生)

 今回紹介した現代哲学演習は、日本の哲学者の著作を対象としていましたが、他の授業では、ドイツ・古代ギリシャ・フランス・中国など、様々な時代・地域の哲学者の著作を、読み進めています。様々な時代・地域の著作を読むことで、複眼的な思考を獲得できるのです。現代哲学演習を含め、千葉大学文学部では、さまざまな哲学の授業が、みなさんを待っています。


(授業前、真剣に資料を読み込む先生と学生)

紹介者:福原直生

▲ PAGE TOP