学生による文学部授業紹介

専門スペイン語の授業(国際言語文化学コース専門科目)

授業紹介:専門スペイン語の授業

こんにちは。私は文学部の国際言語文化学コースでスペイン語を学ぶ3年生です。いまこの紹介文を読んでいる皆さんは、この学科に興味を持っている受験生の方々や、文学部とは違う他学部の方々が多いと思います。そして、皆さんに共通していることは外国語の習得に興味、関心を持っていることではないでしょうか。千葉大学の文学部人文学科国際言語文化学コースでは、ロシア語、フランス語、ドイツ語、英語、そしてスペイン語の5つのヨーロッパ言語を専門的に学ぶことが出来ますが、この場を借りて私が学んでいる山口元先生ご担当の専門スペイン語の授業について、紹介していきたいと思います。

さて、皆さんの考える外国語の授業のイメージとは一体どのようなものでしょうか。もしかしたら、一人の講師が大勢の生徒に向かって淡々と、一方通行的な説明を続けていくような様子が浮かんでいるのではないでしょうか。また、そこで重視されているのは主に「読む」、「書く」のスキルではないでしょうか。でも専門スペイン語(スペイン語、スペイン語文法、スペイン文学講読、中級スペイン語)のクラスはそれとは大きく異なります。

昨今、大学入試でも4技能テストの導入が検討されるなど、「読む」、「書く」に加えて「話す」、「聞く」のスキル向上に関心を持つ人も多くいると思います。専門スペイン語の授業では、卒業までの4年間でそれぞれの技能が本格的に習得できるように構成されています。1年次では基本的な語彙や文法事項を取りあげ、2年次からは1年次で習得したスキルを活かしたより実践的な授業になります。例えば、サン=テグジュペリ(1943)『星の王子さま』のスペイン語版音声のディクテーションを行い、スペイン語の「聞く」スキルを向上させたり、また、スペインの音声付教材”Lola Lago”シリーズを使って1冊ごとに難易度を上げながら速読の訓練をしたり、スペイン映画を一度鑑賞してから、その脚本を構成や文化的背景にも目を向け、じっくり味わって「読む」授業を行っています。作品を深く理解する学習は卒業論文作成にも役立つと思います。

これらの授業は学生が主体となって進んでいきます。毎回の予習時に(かなりの時間を要します)生じた疑問点を授業で先生にぶつけるQ&A方式です。そのため、学生は予習の段階では理解できなかったことを授業で学び、他の学生の質問を聞くことで自分が見逃していた点に気づいたりします。

上記の授業に加え、ネイティブ・スピーカーの先生のクラスもあるので、より実践的な「書く」、「話す」スキルが身につけられます。そして、コロナ禍前までは毎年2名ないし3名の学生が派遣留学生としてスペインやメキシコの大学で、現地の学生と肩を並べて1年または半年間文学、言語学、翻訳論などを学び単位を取得して帰国しています。

このように専門スペイン語の授業では、実践的なスキルや、学生の「勉強したからこそ分からない点」が大切にされています。新たなスキルで人生の可能性を広げ、作品解釈を通じて自己をより深く見つめ直すことができるのです。スペイン語を本気で習得したい人や卒業後に大学で培ったスキルを活かしたい人、そしてスペイン語に興味関心がある方は是非、受講を検討してみてください。

紹介者:鈴木颯真

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