学生による文学部授業紹介

古代文学論演習(日本・ユーラシア文化コース専門科目)

授業紹介:古代文学論演習

このゼミでは主に『万葉集』の勉強をしています。自力で歌の現代語訳をし、その歌が詠まれた背景について先生や他の学生と共に議論しています。

私が特に難しいと感じるのは、すべて漢字で書かれている『万葉集』の歌を、どのように訓読するか検討することです。訓み方が少し異なるだけで歌全体の意味がガラリと変わってしまう場合もあるため、多くの注釈書を参照し慎重に決定していきます。

現代語訳をする時には、単なる直訳に留まらず、いかに作者の意図を汲み取るかが大切だと私は思います。高校時代の古典の授業と大きく異なるのは「正解の訳」が用意されていない点です。学生は、作歌状況をよりリアルに理解できるような資料を探します。当時の歴史書はもちろん、古代の地図や植物図鑑を確認することもあります。

歌を理解するためには、古代の人々の生活や文化を想像する必要があります。しかし、ただ想像するだけではありません。当時の状況を伝える確かな資料を示し、論理的に歌を読み解くことこそが、このゼミの醍醐味であり私の感じる面白さです。

紹介者:浅倉有華

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