卒業生からのメッセージ

’17 史学科(現:歴史学コース) Kさん

’17 史学科(現:歴史学コース) Kさん, 学芸員として就職

私は現在、考古学専門の学芸員として働いています。普段は遺跡の発掘調査や遺跡から出土した資料の保存・活用に携わっています。このように、私が考古学専門の学芸員を目指すきっかけとなったのは、史学科での経験が大きく影響しています。今回は、私の経験をふまえつつ、史学科の特色を紹介したいと思います。

私が千葉大学史学科を目指した理由は、ただ漠然と「歴史に興味があったから」でした。そのため、最初から考古学を専攻しようと思っていたわけではなかったので、1年次には様々な分野の講義を受けて、自分が研究したいと思う分野を探していました。そのようななかで考古学を専攻すると決めたのは、1年次の夏休みに遺跡の発掘調査に参加したことがきっかけでした。史学科では毎年夏休みに、考古学実習として学生が主体となり、遺跡の発掘調査を実施しています。私が初めて参加した調査は北海道での竪穴住居跡の調査でしたが、実際に自分で土器や石器などの遺物を掘り当てた時の感動は今でも覚えています。また、様々な手法を用いて、出土したモノ資料から情報を見つけ出し、過去の人類について研究していくという考古学の研究方法にも魅力を感じ、専攻することにしました。

2年次になるとゼミに入ることができるので、私は考古学のゼミに入り専門的なことを学んでいきました。そして、考古学について専門的に学んでいくうちに、将来考古学の専門性を活かした職に就きたいと思うようになりました。そのためには、大学院に進学し自分の研究領域の専門性を高めることが必要と思い、3年次の冬頃には大学院に進学することを決めました。4年次になると卒業論文を書かなければなりませんが、卒業論文を執筆するにあたっては資料の収集や分析が必要となります。大学院に進学する人の場合、卒業論文がゴールではなく、修士論文や博士論文につながるものにしていかなくてはいけません。しかし、資料を収集・分析し、考察するのは大変なことで、卒業論文を書いている間には思い悩むことも多々あります。そんなときは、先生方に相談し助言をいだたいたりすることができます。史学科は1学年40人程度と人数が少ないので、学生と先生との距離が近く、この点は史学科の特長の一つだと思います。私自身も、何度か先生に相談し助言をいただき、なんとか卒業論文を書き上げることができました。

学部を卒業後、私は専門分野の関係上、千葉大学ではなく他大学の大学院に進学しましたが、それでも史学科で学んだことは大学院での研究にも大いに役立ちました。そのなかでも特に役立ったのが、特定の研究分野に縛られることなく、様々な分野に関心を持って研究するという姿勢でした。他の大学では専攻別にカリキュラムが分かれているのが一般的ですが、史学科は専攻別に分かれていないので、自分の関心のある授業を自由にとることができます。そのため、特定の分野だけでなく、あらゆる視点から物事を考える習慣を身につけることができます。これは研究以外に、就職してからもあらゆる場面で必要になる能力なので、ぜひ史学科で養ってほしいと思います。

大学生になると自分で自由に使える時間が大幅に増えます。そのなかで、いかに時間を有効に使えるかが大切になってきます。私自身、大学に入るまでは明確な目標はありませんでしたが、史学科に入り、いろんな経験を通して自分のやりたいことを見つけることができました。こうして今振り返ってみると、とても有意義な大学生活を送ることができたと感じています。千葉大学を目指す皆さんも、大学に入学したら積極的にいろんなことを経験して、将来につながる大学生活を送ってほしいと思います。

▲ PAGE TOP