卒業生からのメッセージ

‘19 国際言語文化学科(現:国際言語文化学コース) Sさん

‘19 国際言語文化学科(現:国際言語文化学コース) Sさん, 出版社勤務

就職活動と就職後、大学生活について

私は現在、編集者として働いています。もし出版やメディア関連の仕事に興味のある方がいましたら、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

まず、私の動機はとても自分本位で曖昧でした。「文化のある環境にいたい」というものです。昔から幅広いジャンルの本を読んでいましたが、明確に「漫画の編集をしたい」「文芸をやりたい」などの目標があったわけではありません。国際言語文化学科では古典の演劇や文学から現代の映画、ポップカルチャーまで、外国語の媒体に当たりながら深く学ぶことができます。卒業論文の執筆でも、外国語で書かれた資料を読みこむ必要があります。勤勉とはかけ離れた学生時代でしたが、その環境の豊かさは身に染みていました。「社会人になってもこの豊かな時間を忘れずにいたい」という希望から、本作りに携わりたいと思い始め、漠然と編集者を目指し始めました。

実際に動き始めたのは3年の後期からでした。早いうちから出版社でバイトをしたり、OBOGに会いに行ったりとバイタリティ溢れる行動派が多い業界です。完全に出遅れた……と後悔しました。とりあえずマスコミ志望学生向けの講座を受けたりイベントに参加したりしましたが、第一志望も決まっていなかったのであまり身に着きませんでした。もしぼんやりとでも第一志望が浮かぶのであれば、学年関係なく動いてよいと思います。

入りたい会社を探すに当たっては、商品をよく見るようにしていました。悲しいことに、人種差別や性差別を煽り、助長するような本が書店には多く並んでいます。まずはこのような本をつくる出版社を除外しました。企業が絞られ自分へのプレッシャーにもなるので、学生の立場が弱い就活の構造上怖くもありました。実際、全て終わったのは8~9月頃です。周りの皆はほとんど就活を終了させ、とっくに夏休みに入っていました。

しかし自分なりの基準を設けるのは、就活という一時的な行事だけでなく人生を通じて大切なことではないでしょうか。要領のいい就活ではありませんでしたが、結果的に自分のためになる選択ができたと思います。早期内定にこだわりすぎず、自分の方でも企業を選ぶ気持ちで取り組んでいくと、良いご縁を引き寄せられる気がします。

今は建築分野がメインの出版社で働いています。専門的な知識がなくハードな毎日ですが、一年目から自分の企画も持つことができ、充実しています。そしてこの文章を書くことで、大学時代の学びが今の自分の根っこにあることを再確認しました。皆様も色々な授業や活動を通して、少しずつ未来をつくっていってほしいと思います。

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