文学部とは

文学部長からの挨拶

ごあいさつ

学部長

 文学部の学問は専門への間口が多様であるゆえに、なかなかイメージがつかみにくいという声をよく聞くことがあります。一面ではそれは事実であるのかもしれません。文学部には、徹底的にテキストを読み込んでいく文献重視の研究分野から、文化財などのモノ資料や、絵画・映像・演劇も含むイメージ資料を扱う研究分野、さらには、フィールドワークによる実践的な調査手法を用いる社会科学的な研究分野、実験に基づいて人間の知覚のしくみを解明していく自然科学的な研究分野まで、極めて多様な学問領域が展開されているからです。

 ただ、私たち千葉大学文学部において、それら多様な学問領域を貫いて共有されているものも、少なくとも二つあると考えています。

 第一は、人間それ自体と、人間の作り上げてきた文化・社会に対する根源的な問いかけを、いずれも学問の根底に置いていることです。現在、世界は大きく変動していますが、だからこそ、幅広い知見を備え、その基礎の上に徹底的に考え抜き、変容する世界にたじろぐことなく向かい合い、未知の事態に対処するための指針を示すことがますます重要になっています。そして文学部における学びとは、つまるところそのような本質的な問いに応えるためのレッスンなのだと私は思います。時間と空間を越えて遠くまで眼差しを放ち、人間とその営みについて徹底的に考察することは、たぶん私たちがよりよい社会を構想していくための基礎となるはずです。

 第二に、それぞれの学問領域において、使用する資料の様態、収集と解析の技法は大いに異なるものの、どの分野においても私たちが重視するのは、学生諸君が自ら疑問を抱いて課題を設定し、その課題を解くために必要な資料を自力で収集・分析し、得られた結果を論理的・説得的な「文」として表現する能力を獲得することです。そしてそのような文学部の学びの最終的な到達目標、学習の総仕上げとして用意されているのが卒業論文の執筆です。外国語の習得も含めて、「文」を読み、そして「文」を練り上げ、伝える能力を錬磨しておくことは、どのような局面に臨んだ場合でも、必ず拠って立つことのできる堅固な基盤となるでしょう。

 いささか肩肘張ったことを書き連ねてきましたが、いちばん強調しておきたいのは、文学部の学問はとてもおもしろい、ということです。(そして私たちの仲間─文学部の教員─は、学問をとてもおもしろい、と感じている人たちばかりです)。私たちがもっとも望んでいるのは、何よりも、徹底的に調べ、考えていく学問のたのしさ、おもしろさをより多くの人たちに知って欲しいということです。それは決して平坦で楽な道のりではないかもしれませんが、人生の一時期に、学問のおもしろさ(そして苦しさ)を本当に経験しておくことは、きっとかけがえのない財産になると思います。もしこのページをご覧になって、そのような学びを志そうと感じられたならば、それに過ぎる喜びはありません。

文学部長 山田賢

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