教員要覧

引野亨輔

引野亨輔 (ヒキノキョウスケ)

  • 歴史学コース
  • 図像情報史学専修
  • khikino@chiba-u.jp
  • 電話番号: 非公開

略歴

1974年
2002年 広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了 博士(文学)

研究内容

近年、江戸時代を出版文化の隆盛期とみる研究者が増えつつあります。徳川幕府の支配は、文字を読む民衆の存在を前提としていたため、江戸時代を通じて識字率は向上し、また商業出版の誕生によって、書物は社会のすみずみに浸透していったというわけです。

こうした“出版隆盛の江戸時代”を考える上で、無視できないのは仏教書です。というのも、江戸時代の前期から中期にかけて圧倒的な出版量を誇ったのは、実は仏教書だったからです。どのような社会階層が、何を求めて仏教書を読んだのでしょうか。江戸時代の宗教事情を考慮しつつ、その理由を解明するのが、私の第一の研究課題です。

ちなみに、“出版隆盛の江戸時代”は、知識や情報が急速に均質化した時代でもあります。これまでには存在しなかった社会常識が、この時代に着々と浸透しました。ただし、仏教書に象徴されるように、出版という要素が全ての知識・情報を無制限に開放したわけではありません。仏教諸宗本山は、時に本屋へ圧力までかけて、正統なる教学を死守しようと努めました。知識や情報がスムーズに開放されないのはなぜか。知識や情報の均質化のはてにどのような社会が待ち受けているのか。現代の社会情勢を念頭に置きつつ、これからも考察を進めたいと思っています。

授業内容

大学で日本史の卒論を書こうと思えば、原史料に当たるための古文書読解力が不可欠となります。そこで「史料学基礎演習」では、江戸時代の子どもたちが、寺子屋で教科書として利用した往来物などをテキストとして、初心者でも1年間で基礎的なくずし字が読みこなせるよう、訓練につとめています。また「記録資料演習」では、江戸時代の出版に関わる古文書をテキストとして、学生たちの古文書読解力と史料批判能力を鍛えています。

主要な所属学会

史学会、歴史学研究会、佛教史学会、日本宗教学会

主要な研究業績

著書(単著)

  • 『近世宗教世界における普遍と特殊』法蔵館、2007年

著書(共著)

  • 島薗進他編『書物・メディアと社会』春秋社、2015年
  • 横田冬彦編『読書と読者』平凡社、2015年
  • 澤博勝・高埜利彦編『民衆の知と宗教』吉川弘文館、2008年
  • 横田冬彦編『知識と学問をになう人びと』吉川弘文館、2007年
  • 頼祺一先生退官記念論集刊行会編『近世近代の地域社会と文化』清文堂、2004年

論文

  • 「日本近代仏書出版史序説」(『宗教研究』385号、2016年)
  • 「近世仏教における「宗祖」のかたち」(『日本歴史』756号、2011年)
  • 「近世真宗僧侶の集書と学問」(『書物・出版と社会変容』3号、2007年)
  • 「近世後期の地域社会における藩主信仰と民衆意識」(『歴史学研究』 820号、2006年)
  • 「近世日本の書物知と仏教諸宗」(『史学研究』244号、2004年)
  • 「近世中後期における地域神職編成」(『史学雑誌』111編11号、2002年)
▲ PAGE TOP