教員要覧

山田賢

山田賢 (ヤマダマサル)

  • 歴史学コース
  • 図像情報史学専修
  • myamada@faculty.chiba-u.jp
  • 電話番号: 非公開

略歴

1960年
1989年 名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程 史学地理学専攻修了 博士(文学)

研究内容

16世紀は世界史的に見て大きな変動の時代でした。東アジアにおいてもそれは例外ではなく、日本列島・朝鮮半島・中国大陸では、ほとんど突発的とも言うべき急激な人口増と、社会の流動化という異変が発生していました。日本列島ではこれはちょうど中世的な社会秩序が解体する戦国期に、中国大陸では明朝衰亡の時期に当たっています。17世紀には、それぞれ徳川幕府、清朝が成立し、動揺していた社会は、新しいかたちの安定的秩序へと収束していくことになります。

私が現在もっとも関心を持っているのは、こうした変動を経て再構築された近世東アジア各地域の基層社会において、どのようなかたちの社会的結合が洗練され、定着していったのか、という点にあります。たとえば、一般的にはしばしば中国社会の「伝統」と見なされがちな父系血縁ネットワーク(これを「宗族」と呼んでいます)や、あるいは義兄弟的結集に基づいて形成される「秘密結社」なども、まさにこの時代に成熟し、完成されたのではないかというのが私の考えです。

このように、16世紀以降の世界史的な変動のなかから、東アジア各地域の「伝統社会」が生成されるメカニズムと、さらに、「伝統社会」の基盤のうえに展開することになる東アジアの「近代化」について研究を進めています。

授業内容

恒常的に開講しているのは「東アジア古典語史料演習」です。ここで古典中国語(つまり「漢文」)、あるいは近代中国語で書かれた史料を読み込んでいくための基礎的な訓練を行っています。近年は、古典語文献では『子不語』、『日知録』、『皇朝経世文編』など、近代語文献は、孫文、梁漱溟、梁啓超、費孝通などの著作を取り上げています。そのほかにも、定期的に近隣の図書館に所蔵される漢籍史料の版本調査実習を実施し、実際に線装本の漢籍に触れる機会を設けたり、あるいは、映像史料を通して現代中国の社会について考える授業などを設けて、中国という世界に対して多面的なアプローチができるように心がけています。

主要な所属学会

東洋史研究会、社会経済史学会、歴史学研究会他

主要な研究業績

著書(単著)

  • 『中国の秘密結社』講談社、1998年 
  • 『移住民の秩序—清代四川地域社会史研究—』名古屋大学出版会、1995年

著書(共著)

  • 趙景達・須田努編『比較史的にみた近世日本—「東アジア化」をめぐって—』東京堂出版、2011、担当部分「東アジア「近世化」の比較史的検討」pp.266-283
  • 深谷克己・大橋幸泰編『身分論をひろげる』吉川弘文館、2011、担当部分「中国における「士」と「民」」pp.128-155
  • 和田春樹ほか編『東アジア近現代通史3 世界戦争と改造」岩波書店、2010、担当部分「辛亥革命とアジア主義」pp.184-202
  • 野口鐵郎編『結社が描く中国近現代』山川出版社、2005、担当部分「新しい救済世界の出現を 白蓮教/清茶門教」pp.50-66
  • 三宅明正・山田賢編『歴史の中の差別—「三国人」問題とは何か?』日本経済評論社、2001年

論文

  • 「清末湖南の反キリスト教運動と「正しさ」の系譜」(『アジア民衆史研究』第11集、2006年、pp.22-33)
  • 「記憶される「地域」—丁治棠『仕隠斎渉筆』の世界」(『東洋史研究』第62巻2号、2003年、pp.60-87)
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