卒業生からのメッセージ

'14 日本文化学科(現:日本・ユーラシア文化コース) Tさん

'14 日本文化学科(現:日本・ユーラシア文化コース) Tさん,国家公務員

私は現在、公務員として働いています。ここでは私の大学での生活と就職活動について紹介したいと思います。

千葉大学文学部と卒業論文

 千葉大学は様々な講義を受けることができ、入学したばかりの頃には想像もつかなかった研究に触れることができます。その中から最も興味を持った分野について更に知識を深め、卒業論文という形にまとめ自分の研究の結果を発表することになります。

 私は日本文化学科に在籍し、民俗学やアイヌ文化について学びました。1年生、2年生のときにはなるべく多くの分野の講義を時間が許す限り受けるようにしました。反対に3年生、4年生のときには専攻しているいくつかの講義に絞って受講し、空いた時間を論文の作成や就職活動に充てました。

 卒業論文では生まれ育った地域の習俗について、住民の方々の話に基づき研究を進めました。私はこの論文を通し、これから失われていくと考えられるくらしについて少しでも多くのことを書き残したいと思っていました。調査にも論文の記述にも時間がかかり、1つの論文にまとめるのは並大抵のことではありませんでした。しかし、住民の方々のご協力と先生方のご指導のお陰で、卒業論文を書き上げることができました。論文の最後の謝辞を書きながら、それまでのことを思い出し、関わった人達に心から感謝したことを今でも覚えています。

就職活動

 卒業論文の調査を進める一方で、3年生のときから就職活動を始めました。公務員になることを目標としていたので、予備校に通い、筆記試験の勉強や面接の練習をしました。上述のように3年生のときには講義が少なかったので、論文の調査や途中経過の発表の準備もすることができました。4年生の夏に最終合格者の発表があり、就職先が決まってからは卒業論文を書くことに専念しました。私の周りには民間企業に就職した人もたくさんいましたが、その人達も3年生前半までにできるだけ講義を受け、就職活動に時間をかけられるようにしていた人が多かったように感じられました。

 文学部は就職に不利だという話を耳にすると思います。しかし、大学で経済や法律、工学を学んだからといって必ず就職できるわけではありません。また、専門的な知識が職場で生かせるかどうかもわかりません。大切なことは多くの人と関わることと、1つのことを成し遂げることだと思います。私が働いている職場では民俗学の知識は全く必要になりませんが、先生方や調査で関わった方々の多様な考え方に触れ、卒業論文を多大な時間をかけて書き上げたことは私の糧になり、現在の生活に生きていると思います。

 これから大学に進学する皆様には、多くの人と出会って見識を広め、興味を持ったことを積極的に調べ、知識を深めて欲しいと思います。大学で学んだことは直接的ではなくとも社会に出て必ず役に立ちます。大学で過ごした日々は本当に短く感じました。残された僅かな時間を目一杯楽しんでいただけたら幸いです。

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